SPUS 有用安全考房が追究する安全文化を、概要、未然防止、知の泉、ゲシュタルトアプローチ、アフォーダンスアプロ-チ、ISO 12100 の切り口でご紹介いたします。
概念 未然防止 知の泉
ゲシュタルトアプローチ アフォーダンスアプローチ ISO 12100
概念
リスクアセスメントとは、影種・揺味・紀射により気配を捉えて、危険性を見える化すること
危険は、『影種 (Still Well)・揺味 (Live Shift)・紀射 (First Glow) 』の三層で立ち上がります。これらの気配を捉え、危険源・危険状態・危険事象の性質を読み砕くことが、リスクアセスメントの本質です。 SPUS 有用安全考房は、危険源同定 (Hidden Spotting) 、危険状態同定 (Line Scanning)、危険事象同定 (Scenario Mapping) からなる『危険性同定 (Hazardousness Identifications) 』の手法を確立し、5Rs で使用する種々の形態の文書 (Memo → Card → Sheet → Book → Label) による知の変換を通じて、『時空系 (Temporal, Spatial, Systematical) 』の切り口で危険性を見える化します。
リスクとは、安全分野においても、目的に対する不確かさの影響が適用できること
危害のひどさと発生確率には、避けられない揺れ(不確実性)が存在します。危険性同定によってその揺れの性質を明確にし、ISO 31000 リスクマネジメント-指針 のリスク定義『目的に対する不確かさの影響』を安全分野に適用することで、リスクを『意味のある不確実性』として扱うことができます。 SPUS 有用安全考房は、この不確実性を評価するために、DX技術を適用する『CARA (Computer Aided Risk Assessment) 』の開発と活用を推進します。
機械安全とは、 隠されている危険性に対し、安全性設計と信頼性設計で対応すること
危険性の構造を断ち切るのが『安全性設計 (Safety Design) 』、安全機能が確実に働くようにするのが『信頼性設計 (Reliability Design) 』です。 SPUS 有用安全考房は、『'ON-SAFE STyLE' による安全性設計』と、『PL/PLr による信頼性設計』を組み合わせることにより、安全性・生産性・経済性の三立を実現します。
好事例とは、優れた機械装置に実例標章を貼付し、人々にウェルビーイングをもたらすこと
危険性同定から信頼性設計までを丁寧に行い、『ちょっとした工夫 (Little DEVISALs) 』を積み重ねた機械は、安全でありながら使いやすく、生産性を高め、経済性の高い『好事例 (Exemplars) 』となります。 SPUS 有用安全考房は、その証として『実例標章 (Paradigm Mark) 』を機械装置に貼付し、設計者の誇りと使用者の安心を可視化します。そして、機械にかかわる人々に『ウェルビーイング (Well-being) 』をもたらします。
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未然防止
未然防止とは
未然防止は事故や災害の影響を低減するため、「もの」や「こと」に織り込むものです。組織の未然防止を支援するため、考え方と進め方をまとめた指針がクールメジャーズです。
1. 未然防止とは、何も起きていないことの理由を明確に説明できること
意味あるゼロとたまたまゼロには、雲泥の差がある
2. 未然防止とは、何も起こさないように設計者が密かに闘っていること
企画設計における設計者の不断の努力に、敬意を払う
3. 未然防止とは、暗黙知から類推して照合する形式知から生まれるもの
気づきを文書化し、別の気づきで活用していく
4. 未然防止とは、効率性と経済性のものさしにより可否を判定するもの
当初の目的を果たすものは、安くても良いものである
もちろん、事故や災害が発生した際に原因を分析して講じた対策は未然防止とはいえませんが、過去の原因と対策を引用し、「もの」や「こと」に織り込むことは未然防止の一つといえます。
設計者は担当する「もの」や「こと」に関する基準などにしたがって設計を行うだけでなく、過去の事故や災害に関する原因と対策を引用し、未然防止を適切に織り込むこと求められます。
未然防止をどのように評価するのか?
いろいろなトラブルを回避するための未然防止であるが、正しく評価することは大変難しいです。なぜなら、手を打っても打たなくても、何も変わらない場合が多いからではないでしょうか。そのような状況が続けば、そのうちにやめても良いのではないか、と考える人が出てくることは多いでしょう。しかし、そのような考えから止めてしまった後に、トラブルが発生してしまうことは比較的多いといえるでしょう。
未然防止が成功しているということは、何も起きていない状況そのものでといえます。それならば、成功というのはどういうことなのか、正しく認識することが必要になるでしょう。未然防止を確実に続けていくためには、成功の本質を知らなければなりません。
~ 成功の本質 ~
失敗で得られる教訓を活かすことにより、失敗しないことはできる。
しかし、成功にはたどり着けない。失敗しないことが成功ではない。
成功とはどのような状況なのだろうか。
やはり、何事も起きていないという状況だろう。
とすれば、何も起きていない状況の中に潜んでいる秘訣を探ることで、
成功の本質が見えるということになる。
秘訣は自然的なものと人為的なものに分けられるが、
分けたからといって成功の本質が見えるわけではない。
それにしても、何も起きていない状況の多くは、普通といえるのではないか。
そうであれば、何も起きていないことが普通なのか成功なのか、
いろいろな事例を見ながら、線引きをしなければならない。
成功の本質を探ることは、失敗の真因を探ることよりも遙かに難しい。
何も起きていない状況を広く深く長く、見たり聞いたり感じたりする。
そのようにして、暗黙知、いわゆる成功の体験として心に留めることが、
成功の本質にたどり着くための唯一無二の方法なのだろう。
書物を読んだだけでは理解できない世界に、成功の本質があることは間違いない。
成功の本質が潜んでいる方角は決まった。
さあ、成功をつかむ旅に出かけようではないか。
2021年7月8日
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知の泉
生きたリスクアセスメントのために
リスクアセスメントには、数値や手順だけでは捉えきれない「静かな知」が存在します。現場で生まれる気づき、心の揺れ、そして兆しの気配。これらは事故や災害を未然に防ぐうえで欠かせないにもかかわらず、従来の枠組みでは十分に扱われてきませんでした。
この“見えない知”を丁寧に扱うための枠組みが、影種 Still Well・揺味 Live Shift・紀射 First Glow という三つの知の泉です。三つの泉は、静・動・湧という異なる観察様式を通じて、暗黙知を判断へと変換するための基盤となります。この三つの知の泉を暗黙知の泉
(Tacitability Fountain) と呼びます。
スティル・ウェル Still Well
影種【かげめ】、静の泉、聴覚知、変更点、洞察性
根源の泉 Fountain of Origins - 危険源
影種は、沈黙の底に沈む気配と、溢れてこない痕跡を静かに集める“知の泉”です。ここでは、他の知と繋がっていない微細な暗黙知である微源知 (Tacit
Lore) が湧き出し、そこから兆しの経過である痕跡知 (Sign Trace) が掬い上げられます。
微源知【びげんち】/ Tacit Lore
他の知と繋がっていない無形の暗黙知
まだ言葉にも形にもなっていない“気配の知”
痕跡知【こんせきち】/ Sign Trace
微源知から兆しの経過をたどり、形式知へと向かう前段階の知
影種は、「見えないものを見える化する前の静かな層」を扱う枠組みであり、リスクアセスメントにおける“静の観察”を司ります。
ライヴ・シフト Live Shift
揺味【ゆらじ】、動の泉、嗅覚知、変化点、俯瞰性
揺動の泉 Fountain of Motion - 危険状態
揺味は、均一でも完全でもない「生きた揺らぎ」を扱う“知の泉”です。ここでは、無意識下に隠蔽されている内的特性である幽思知 (Mind Veil)
が湧き、外部環境との相互作用によって生じる依迎知 (Anchor Drift) が流れ出します。
幽思知【ゆうじち】/ Mind Veil
無意識に隠れている内的な性質
自分でも気づかない“心の影”
依迎知【いげいち】/ Anchor Drift
拠り所へ迎合し、外部環境に引き寄せられる外的な性質
場に応じて変容する“心の流れ”
揺味は、「人の状態が場と相互作用して生まれる動的な変化」を扱う枠組みであり、リスクアセスメントにおける“動の観察”を司ります。
ファースト・グロー First Glow
紀射【きざし】、湧の泉、触覚知、変異点、推理性
予兆の泉 Fountain of Emergence - 危険事象
紀射は、そっと立ち上がる、微細で未分化の気配や意味を扱う“知の泉”です。ここでは、静かな層に潜む断片的な知である断片知 (Piece Shard)
が湧き上がり、それらが密やかに結びつくことで統合知 (Unified Insight) が形を帯びていきます。
断片知【だんぺんち】/ Piece Shard
静かな層から湧き上がる、微細で未分化の知の断片
まだ方向性も輪郭も定まらない“芽生えの知”
統合知【とうごうち】/ Unified Insight
断片知同士がひそやかに結びつき、意味の糸として立ち上がる知
経験・直観・場の気配が重なり合って生まれる“最初の推測”
紀射は、「静と動が重なり合うことで立ち上がる生成の層」を扱う枠組みであり、リスクアセスメントにおける“湧の観察”を司ります。
エルスワイ・アーカイヴス Elsewhy Archives
何処にもない理由、何も起きていない理由
リスクアセスメントのためのナレッジ・データベース『好事例の宝庫』
エルスワイ・アーカイヴスは、三つの知の泉で掬い上げられた暗黙知を整え、未然防止の秘訣を蓄えるナレッジ・データベースです。影種・揺味・紀射の三つの泉と接続されて、災害が起きていない理由や、現場に潜む静かな気配を詩的に構成します。
知の鮮度が保たれたエルスワイ・アーカイヴスは、生きたリスクアセスメントを支える“知の源泉”です。暗黙知を扱うデータベースながら、暗黙知をあたかも形式知のように扱うことが可能です。数値を読み込み、演算し、比較できる機能があり、RA/5Rs
の判断基盤として利用できます。
~ 叡智の優雅さ Wisdom's Grace ~
叡智を活かし、最⾼の成果を創出する
誰もが個性を現す四つの知をもっている。
頭には、有意識の考性知と
無意識の閃性知という形式知が宿る。
⼼には、有意識の思性知という暗黙知が宿り、
体には、無意識の感性知という暗黙知が宿る。
思性知と感性知が触れ合うとき、
暗黙知の泉は、強く、静かに湧き上がる。
形式知は、⾔語化と構造化によって、
思性知と感性知を渡し、受け取り、
⼈と⼈をつなぐための知である。
叡智とは、
頭・体・⼼に宿る四つの知が、
社会の中で⽣きる⼒のこと。
叡智を活かすには、
良い習慣と、続けられる環境が必要である。
今⽇を静かに振り返り、
明⽇もまた歩み続けよう。
叡智を活かすために・・・。
2026年1月1日
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ゲシュタルトアプローチ
ゲシュタルトアプローチによるリスクアセスメント
リスクアセスメントでは実施する人の知識と技能が試されます。経験を基にすることは多いですが、過去のトラウマが未解決の問題を抱えている場合には、適切なリスクアセスメントが行えません。もちろん気づかない場合もありますが、心理的に『無意識の隠蔽』が悪く働く場合も多いといえます。また、何らかのものに依迎してしまい、思っていることとは違う行動が現れる場合もあります。
この状況を解決するためには、本来は過去の経験を活かすべきところを、今・ここの現実に焦点を当てて、感情や行動などの自己理解を深めて、対処することが重要です。この考え方がゲシュタルト・アプローチ
(Gestalt Approach) で、心理学や現象学などを統合したゲシュタルト療法の基礎になっています。
ゲシュタルトアプローチの自己意識の向上、コミュニケーションの活性化、リーダーシップの発揮などは、適切なリスクアセスメントのために必要な要素になっています。
ゲシュタルトアプローチ (Gestalt Approach) とは
ゲシュタルト・アプローチは、独国のフリデリック・サロモン・パールズらによってゲシュタルト療法として発展し、現代の様々な心理療法や自己啓発に影響を与えています。
1. 全体性の重視
個々の要素ではなく、全体として知覚や経験を重視する
2. 図と地
ある要素が前面(図)に出て、他の要素が背景(地)になる関係性に注目する
3. 現在(今ここ)の重視
過去や未来ではなく、現在の体験に焦点を当てる
4. 気づき (Awareness) の促進
自己や環境への意識的な気づきを促進する
5. 変容のパラドックス (Paradox)
変容は自分自身をあるがままに受け入れた時”のみ”に起こる
6. 体験の強調
理論的な分析よりも、直接的な経験や実験を通じた学びを重視する
7. 応答する力と選択
環境に対して自らが対応していく力を自覚する重要性を強調する
ゲシュタルトアプローチにより、以下のメリットが得られます。
・自分自身についての理解を深め、成長させ、創造性を高める
・コーチングの実践に新たな深みを加え、効果的なリーダーシップを発揮する
・自己の意識を高め、部下や同僚とのコミュニケーションを豊かにする
実感研修 (Actual Feel Study)
全体性の重視、図と地の関係性、今ここの重視、気づきの促進、直接的な体験や実験を通じた学びなど、リスクアセスメントにおける特に危険源・危険状態・危険事象を同定する段階では、ゲシュタルトアプローチは非常に有効です。実感研修で培われる暗黙知を繰り返し実践することにより、「無意識の知恵」として身についていきます。
SPUS 有用安全考房の実感研修は、ゲシュタルトアプローチの考えを取り入れ、リスクアセスメントの対象とする機械装置の実体モデルをベースに機械装置の仕様を仮想化し、俯瞰による全体感と実体験による気づきを深めていく、有効性の高い実践的な研修です。
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アフォーダンスアプローチ
アフォーダンスアプローチによるリスクリダクション
リスクリダクションでは、単に危険性を除去するだけでなく、人が自然に安全な行動を選べるようにすることが重要です。知識や訓練だけでは限界があり、環境が「安全な動き」を誘導する力を持っていなければ、リスクは残り続けます。
この課題に対して、環境が持つ『誘導性(アフォーダンス)』に着目し、行動が無理なく安全へと導かれるように設計・評価するのがアフォーダンスアプローチです。これは知覚心理学やデザイン理論を統合した実践的な枠組みであり、リスクリダクションにおいて非常に有効です。
アフォーダンスアプローチは、行動の自然性、環境との調和、直感的な安全性の確保など、適切なリスクリダクションのために欠かせない視点を提供します。
アフォーダンスアプローチ (Affordance Approach) とは
アフォーダンスアプローチは、米国のジェームズ・ジェローム・ギブソンの知覚理論に基づき、環境が人に提供する『行動の可能性』に注目した方法です。現代では安全設計、教育、福祉など多様な分野に応用されています。
1. 誘導性の重視
環境が自然に行動を促す力(アフォーダンス)に注目する
2. 関係性の知覚
人と環境の相互作用を通じて、意味ある行動が生まれることを理解する
3. 状況依存性
行動は文脈に依存し、同じ環境でも状況により異なるアフォーダンスが生じる
4. 直感的な理解
言語や理論よりも、身体的・感覚的な理解を重視する
5. 自然な安全性
安全な行動が「努力なく」選ばれるように環境を整える
6. 実体との接触
抽象的な説明よりも、実物との接触を通じて理解を深める
7. 選択の支援
人が自ら安全な選択をできるよう、環境が支援する設計を目指す
アフォーダンスアプローチにより、以下のメリットが得られます。
・安全行動が自然に選ばれる環境を設計・評価できる
・リスクリダクションにおいて、机上の理論では見えない「誘導性」に気づける
・現場の直感的な理解を促進し、チームの安全文化を育てる
実践診断 (Practice Diagnosis)
安全性・生産性・経済性のバランスを図るには、設計における工夫(DEVISALs)の妥当性(Reasonability)を見極めることが重要です。SPUS
有用安全考房の実践診断は、アフォーダンスアプローチの視点を取り入れ、使用環境との関係性に着目しながら、機械装置の仕様と設計意図を評価します。
実体モデルを用いた診断では、機械装置が自然に安全行動を誘導するかどうかを体験的に確認し、生産性・経済性の指標を通じて妥当性(Reasonability)を見える化します。診断結果に応じて、信頼性・利便性に優れた好事例(Exemplar)には、独自の実例標章(Paradigm
Mark)を発行し、設計技術の価値を広く共有します。
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ISO 12100
「ISO 12100 : 2010 機械類の安全性-設計の一般原則-リスクアセスメントとリスク低減」は、機械安全を行うための基本規格です。この規格に基づいて設計すれば、機械・装置の安全性を確保することができます。この規格は普遍的ながら定性的な要求であるため、より具体的で定量的な要求は、この規格の下位に位置する多くのISO・IECの規格に記述されています。ゆえに、設計の場面でこの規格を用いる場面は少なく、この規格で記述されている機械安全についての考え方や進め方は、必ずしも理解されているとはいえません。
このようなことから、ISO 12100の各項別にそれぞれの目的を考えてみます。安全な機械・装置を設計するという漠然とした状態から、リスクアセスメントやリスク低減に対する正しい認識により、適切かつ効果的に機械安全を実践できることが期待されます。
1. 機械類の安全性
機械類の設計において安全性を達成する
4. 方法論
3ステップメソッドに基づき、設計段階で方策を組み込む
5. リスクアセスメント
機械類に存在する危険源から生じるリスクを見積もる
5.2 リスクアセスメントの情報
定量・定性に関わらず、関係するあらゆる情報を収集する
5.3 機械類の制限の決定
機械類の寿命までの全段階を考慮した制限の仕様を決定する
5.4 危険源の同定
全局面での危険源・危険状態・危険事象を系統的に同定する
5.5 リスク見積り
状況を勘案し、危害のひどさと発生確率からリスクを見積もる
5.6 リスク評価
他事例や見積もったリスクから、保護方策の必要性を判定する
6. リスク低減
危険源の除去、または、危害のひどさと発生確率を低減する
6.2 本質的安全設計方策
設計特性の選択により、有効性のある方策でリスクを低減する
6.3 安全防護
本質的安全設計方策後に残った危険源やリスクから人を保護する
6.3 付加保護方策
意図する使用や合理的に予見可能な誤使用において人が使用する
6.4 使用上の情報
意図する使用に対する正しい情報を、使用者へ確実に提供する
7. 文書化
提示は不要だが、実施した手順と達成した結果を文書化する
JIS B9700 : 2013 機械類の安全性-設計のための一般原則-リスクアセスメント及びリスク低減は、ISO 12100 : 2010を基に技術的内容及び構成を変更することなく作成された日本産業規格です。
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