実践診断

SPUS 有用安全考房が力を入れている事業の二つ目は、危険性同定のシナリオに基づき、安全機能の妥当性を論理的に検証する『実践診断(Real Practice Diagnosis)』です。

安全機能設計は、危険源・危険状態・危険事象を結ぶシナリオを正しく読み取り、そのシナリオに適合した“安全の形”を構築する高度な設計行為です。しかし実務では、リスクレベルの数値に意識が偏り、危険性同定と安全機能設計そのものが十分に扱われないことが少なくありません。そこで SPUS では、RR/5Ds(Mapping, Layering, Timing, Wiring, Proceeding)を用いて、安全機能が空間・構造・時間・接続・流動の中で成立するプロセスを、実機相応の装置を使って体験的に学ぶ場を設けています。

有効性の見える化は、“安全の形”を実装すること。

実践診断では、“安全の形”を立ち上げるための空間配置、モード構成、時間作動、接続論理、工程流動を段階的に扱い、机上では見えにくい「時間遅れ」「誤動作」「協奏モード」「手順の影響」を実際の動作として観察します。これにより、”危険の芽”を確実に抑えるための「構造化力」「同期化力」「統合化力」が育まれます。また、診断を通じて、判断の揺れや設計意図の違いを参加者同士で共有し、実務に直結する議論が生まれます。安全機能が“なぜ成立しているのか”“どこが壊れやすいのか”を読み解くことで、事象の背後に潜む『何も起きていない理由』に気づく感性が磨かれます。

本来のリスクリダクションの姿を広く伝えるため、設計者を中心に多くの企業へ向けて実践診断を行っています。

ご案内  診断要領  有効性の見える化  RR/5Ds  ’ON-SAFE StyLE'

 

 

 

ご案内

私たち SPUS 有用安全考房の名称の意味は、『Study and Practice of Useful Safety』です。学ぶことと行うことにより、安全性だけでなく、生産性や経済性との三立を目指すことが目的で、座右の銘の『知行合一』を理念としています。

リスクアセスメントにおいて、危険性同定は危険源~危険状態~危険事象のシナリオを描く大切な段階です。このシナリオが安全機能を設計するための重要な要求になっているのですが、多くの場合、後に続くリスクレベルに着目するあまり、危険性同定と安全機能設計が軽視されています。

昨今、機能安全(安全機能の信頼性)が注目されていますが、危険性同定のシナリオに合わせた安全機能が設計されたかどうかを、論理的かつ合理的に診断することが最も重要です。このようなことから、多くの皆様に向けて、本来のリスクリダクションの姿を伝えたいため、ワークショップ『実践診断 Real Practice Diagnosis』を用意しております。

初めての方も、さらにレベルアップしたい方も、SPUS 有用安全考房のワークショップの場で、リスクリダクションを究めていただきたいです。いつでも、喜んでお手伝いをさせていただきます。

 

    RA インストラクター
   夢見凪 (Yumemi Nagi)

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診断要領(2027年4月開始予定)

有効性の見える化(リスクリダクション)

有効性の見える化(Visualizing Validity)は、危険の芽を確実に抑えるための“安全の形”を実際の装置で構築・検証する実習型プログラムです。リスクリダクションは、単なる対策の列挙ではなく、空間・構造・時間・接続・流動の五つの視点から安全機能を立ち上げる高度な設計行為であり、現場で求められる構造化力・同期化力・統合化力を育てます。

研修では、RR/5Ds(Mapping, Layering, Timing, Wiring, Proceeding)を段階的に体験し、

• 空間配置の妥当性(Spatial Layout)
• 構造の強さと揺れ(Mode Structure)
• 時間作動の整合(Temporal Activation)
• 接続論理の一貫性(Connection Logic)
• 工程流動に潜む人の揺れ(Process Flow)

といった、安全機能設計に不可欠な五つの観点を総合的に学びます。

実機相応の装置やセーフティリレーを用いることで、机上では見えにくい「時間遅れ」「誤動作」「協奏モード」「手順の影響」などを、“時間の中で動く安全”として体感できます。こちらも少人数制のグループワークを採用し、参加者同士が設計意図や判断の揺れを共有することで、実務に直結する議論と学びが生まれます。初心者から中級者まで、安全機能を世界に実装するための基礎力を身につけることができます。

特徴

深く永い学びとするため、 3〜6 名の少人数制によるグループワークを採用しています。
過去の経験にとらわれることなく、感じたことを学びに変えていきます。

実務においても困りごとの相談ができる、新しいコミュニケーショングループが形成されます。

電気制御設計者として安全機能設計の実力を確認でき、実務に適用できるノウハウが身に付きます。

 

募集要項

研修 有効性の見える化(安全機能設計)
日数 1日(平日のみ)
時間 10~15時(昼食会 1時間含む)
各自で昼食を持参
対象 リレーシーケンス回路設計の知識のある方
論理回路を学びたい機械技術者に推奨
定員 3~5名/回(グループワークあり)
費用 44,000 円/名(税込)
受付確認後に指定口座へ銀行振込
申込 コンタクトからメールで
備考 当初は東京都品川区で開催予定

申込期間は、開催日2か月前から、締め切りは開催日の1か月前までとします。
お申し込みやご連絡はメールで行います(フリーメールの利用はお断り)。

いずれの診断も、まとまった人数でのお申し込みができます。
複数の方を同時にお申込みいただければ、同一グループで実習できます。

申込者に受付確認メールを返信しますので、指定口座へ費用をお振り込みください。
振込手数料は、申し込みされる方の負担といたします。
請求書が必要な場合は、申込時にその旨をお知らせください。
領収書が必要な場合には、申込時に宛名・摘要をお知らせください。
実践診断の運営は、インボイス非対応の個人事業主が担当しております。

定員を超過した場合には、申込された方へ受付終了をご連絡いたします。
申込数が最低数未満の場合は診断を中止し、支払済みの方へ費用を返金いたします。
診断を中止する場合、開催日の1か月前に申込者宛てに中止をご連絡いたします。

申し込みの取り消しは開催日の2週間前までとし、支払済みの費用を返金いたします。
それ以降は取り消しできませんので、支払い済みの費用の返金もありません。
ただし、自然災害や交通期間の乱れ、ケガや病気などの場合を除きます。

地震や台風による災害などの場合は中止し、支払い済みの方へ費用を返金いたします。

 

診断内容

診断 有効性の見える化(安全機能設計)
課題 モード・リレー動作・障害回避の設計
手法 Risk Reduction / 5Ds
教材 説明書、仕様書、方眼紙
リレーシーケンステストキット
特徴 Explicit 形式知を使いこなす研修と診断
知識 リレーシーケンス制御
能力 対話力、知覚力、構成力、整合力
講師 SPUSに所属する電気系技術者
備考 筆記用具を持参、パソコンは不要
研修中および診断中の撮影・録音は不可

説明と実習の4時間、昼食会の1時間、合計5時間の研修と診断です。
研修日の当日に教本をお渡しいたします。
参考書やノートなどの持ち込みは可能です。
手書きの実習であるため、筆記用具を準備してください。
昼食会を行いますので、昼食を各自で準備してください。

 

開催日・開催日程(2026年4月現在の予定/全て未定)

課題 有効性の見える化(安全機能設計)※
2027年
4月
2027年
5月
 
2027年
6月
 
2027年
7月
 
2027年
8月
 
2027年
9月
 

※ 有効性の見える化(安全機能設計)は、2027年4月以降に開催する予定 各回の参加者が確定した後に、各回の開催場所を決定いたします。諸事情により、開催地を品川区の近隣市区に変更する場合があります。あらかじめご承知おきください。

カリキュラムとお見積り

実践診断はご要望に合わせて内容をアレンジし、事前にカリキュラム案をご提示いたします。内容にご納得いただいた後、正式なお見積りを作成いたします。また、個別案件で機密情報を扱う場合には、秘密保持契約(NDA)や覚書を締結したうえで診断を実施いたします。安心してご依頼いただけるよう、万全の体制を準備いたします。

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有効性の見える化

SPUS 有用安全考房の専門資格者が、実機相応の装置を用いて、機器や接続などに手を加えられる状況を設営し、有効性の見える化(Visualizing Validity)の研修を行います。リスクリダクションは時間に依存する安全機能であることから、構成品や制御仕様の違いが機能の成立に大きく影響することを、実習を通じて体得し、あるべき機能を追求できる能力を育みます。

有効性の見える化では、RR/5Ds の D1〜D5 を段階的に体験し、危険の芽を抑えるための“安全の形”を設計し、構造化し、時間の中で成立させ、接続し、流動させ、妥当性を確かめる一連のプロセスを学びます。潜在性の見える化で読み取った危険の芽を、どのように安全機能として実装するかを、空間・構造・時間・接続・工程・妥当性の六つの視点から理解します。

安全機能設計

高いリスクに繋がる危険源と危険状態に対し、自然法則や安全論理に基づく安全機能を設計します。RR/5Ds の D1 Mapping(空間構成図式) を用いて、危険源・人・機器・保護方策の位置関係を整理し、安全機能が成立するための空間的な前提条件を整えます。

安全機能設計では、危険の芽がどこに潜み、どの方向に広がるかを踏まえ、「どのような安全機能が必要か」「どの位置に配置すべきか」「どの距離を確保すべきか」を立体的に判断します。

安全構造設計

安全機能を実現するための機械的構造を部品レベルまで落とし込み、実装する構成品を設計します。RR/5Ds の D2 Layering(階層構成図式) を用いて、機械構造・モード構成・冗長性を整理し、安全機能の“骨格”を整えます。

構造設計では、構造の弱点、構造の揺れ、構造と時間の関係を読み取り、危険の芽を確実に抑えるための“形”をつくります。

安全回路設計

安全機能を実現するための制御機能を協奏モードで設定し、実装する電気回路を設計します。RR/5Ds の D3 Timing(時間構成図式) と D4 Wiring(接続構成図式) を用いて、時間作動と接続論理を整え、安全機能が“時間の中で成立する”ことを確かめます。

安全回路設計では、作動遅れ、誤動作、協奏モード、AND/OR 論理などを実際に観察し、危険の芽を確実に抑えるための“時間と論理の整合”を理解します。

工程流動と有効性評価

RR/5Ds の D5 Proceeding(手続構成図式)用いて、操作手順・取扱方法を安全機能の一部として扱います。

工程流動では、人の行動の揺れを読み取り、「手順が安全機能を支えているか」「手順が安全機能を壊していないか」を確認します。

有効性評価では、リスクと方策、時間と構造、危険性と低減度、影響と対策を照合し、安全機能が“十分であるか”を判定します。

 

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新手法 RR/5Ds

リスクリダクション新手法 RR/5Ds (Risk Reduction the Five Ds)

リスクリダクション新手法 RR/5Ds は、5Rs で生成された知を、現実の安全機能として“形にする”ための体系です。6Rs が「静かに潜む知をすくい上げるプロセス」であるなら、5Ds は「すくい上げた知を、空間・構造・時間・接続・流動へと展開し、規格に基づく形式知として実装するプロセス」です。

まず、危険源・人・機器・保護方策の位置関係を捉える 空間配置(Spatial Layout) が立ち上がり、次に、運転・停止・教示・メンテナンスといった機械の状態を整理する モード構成(Mode Structure) が必要になります。

構造が整うと、安全機能が時間の中で成立するための 時間作動(Temporal Activation) が立ち上がり、その後、実際の回路として安全機能を結びつける 接続論理(Connection Logic) が必要になります。

さらに、5Ds では、操作手順や取扱方法といった“人の行動”を安全機能の一部として扱う 工程流動(Process Flow) を位置づけ、知が現場の行動へと変換される橋渡しを担います。

RR/5Ds は、形式知の適用プロセスを5つの段階で体系化しています。

 

知の適用プロセス 5段階(5Ds) ※DはDiagramのこと

No 段階 区分 作業 能力
D1 Mapping
Diagram
空間構成図式
Explicit
形式知
Spatial Layout
空間配置
Safety Distance & Layout Design
安全距離 & 配置設計
Spatializing
空間把握性
D2 Layering
Diagram
階層構成図式
Explicit
形式知
Mode Structure
モード構成
Safety Requirement Allocation
安全要求割当
Structuring
構造化性
D3 Timing
Diagram
時間構成図式
Explicit
形式知
Temporal Activation
時間作動
Safety Sequence Design
安全作動設計
Synchronizing
同期化性
D4 Wiring
Diagram
接続構成図式
Explicit
形式知
Connection Logic
接続論理
SRP/CS Implementation
安全回路実装
Integrating
統合化性
D5 Proceeding
Diagram
手続構成図式
Explicit
形式知
Process Flow
工程流動
Operation Procedure & Handling
操作手順 & 取扱方法
Usability
使用性

 

RR / 5Ds
読み:リスク・リダクション・ザ・ファイヴ・ディーズ
英文:Risk Reduction the Five Ds
(Mapping, Layering, Timing, Wiring, Proceeding)

空間が構造を呼び、構造が時間を生み、時間が接続を求め、接続が流動を整え、流動が灯りへとつながる。その流れを整え、安全という「形」へと育てあげる手法。

RR/5Ds は、5Rs で生成された知を、空間 → 構造 → 時間 → 接続 → 流動という五つの視点から適用し、安全機能として世界に立ち上げるための体系です。

 

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'ON-SAFE STyLE'

機械装置に摘要した安全機能が好事例に該当するかどうかを、'ON-SAFE STyLE' の原則、尺度、方策、手法、形態を基準にして評価・判定します。'ON-SAFE STyLE' / オンセーフスタイルには、自然に作用する「エナジーフローの自然仕掛け」、機械に作用する「コアクティブモードの機械仕掛け」、人間に作用する「ストレスフリーの人為仕掛け」の3つのしくみがあります。

’ON-SAFE STyLE'とは

安全な状況でのみ動かせる様式 Style of run only on Safe Status のことで、'ON-SAFE STyLE' の自然仕掛け・機械仕掛け・人為仕掛けをリスクリダクションに適用して、確定的な安全性を実現します

1 エナジーフローの自然仕掛け (Naturetrols by Energy Flow)

自然の法則に基づく仕掛けで、高いところから低いところへ流れるエネルギーの性質の利用

ISO 12100 機械類の安全性(Safety of Machinery)では、最初に本質的安全設計方策(Inherently Safe Design Measure)を適用することが重要です。その中でも、'ON-SAFE STyLE' / オンセーフスタイルに基づく「エナジーフローの自然仕掛け(Naturetrols of Energy Flow)」のしくみを、本質的安全設計方策に採用することは、確定的な安全性を確保するために必要不可欠です。どのような機械装置においても、モード、機能、コンポーネント、回路といった設計要素を、適切に選択し構成しなければなりません。

項目 特徴
原則 生来性 (Inborny)、必然性 (Inevitability)、明瞭性 (Clarity)
尺度 検証性 (Verifiability)
方策 作動のための原理的方策 (Principle Measures for Run)
手法 確定的安全監視手法 (Definite Safety Monitoring Approach)
形態 固定的結合構造 (Hard-wired Structure)

 

2 コアクティブモードの機械仕掛け (Mechatrols on Coactive Mode)

工学の法則に基づく仕掛けで、運転制御に常に優先介入して正常状態を維持する安全制御のモード

モードは重要な設計要素で、一般的に運転をつかさどる運転モード(Drive Mode)と、運転モードから独立し、安全をつかさどる最優先の安全モード(Safety Mode)の2つがあります。複数の機械が組み合わされ、一つの機械群として構成されているIMS統合生産システム(Integrated Manufacturing System)のように、大規模になるほどモードの重要性が増していきます。

運転モード、安全モードともにいくつかのモードで構成されますが、全てのモードは運転モードと安全モードにごとにまとめられ、「コアクティブモード(Coactive Mode)」という総称になります。安全モードに属する種々のモードが、階層的に構成され、その形態にしたがって、安全コンポーネントが安全回路において適切に接続されることにより、初めて「コアクティブモードの機械仕掛け」の安全機能が有効となり、確定性が実現します。

項目 特徴
原則 正確性 (Accuracy)、正常性 (Normality)、頑強性 (Sanity)
尺度 信頼性 (Dependability)
方策 維持のための機構的方策 (Mechanistic Measures for Hold)
手法 確率的故障検出手法 (Stochastic Failure Detecting Approach)
形態 安全側故障構成 (Fail-safened Architecture)

 

3 ストレスフリーの人為仕掛け (Handtrols to Stress-free)

人間の法則に基づく仕掛けで、人の身体的・心理的な特性に合わせて誤使用を防ぐインターフェイス

'ON-SAFE STyLE' / オンセーフスタイルは、安全な状況を条件にして機械の運転を許可していますが、時間に任せて安全な状況になるのを待っていては、いつまでたっても機械の運転ができないため、積極的に安全な状況を作り出す仕掛けも必要です。それが、「ストレスフリーの人為仕掛け (Handtrols to Stress Free) 」というしくみです。

このしくみは、機械を操作するオペレーターの人間工学面と心理学面の特性に合わせたインタフェースを採用することにより、オペレーターが操作することで、オペレーターを無意識のうちに安全な状態に導き、自然な成り行きのまま機械を運転できる安全な状況を作り出していきます。オペレーターにストレスを感じない方向へ、マジックにかかったように、「ストレスフリーの人為仕掛け」のゴールに向かって行動するということです。

項目 特徴
原則 暗黙性 (Implicity)、習慣性 (Habity)、共感性 (Sympathy)
尺度 伝達性 (Communicability)
方策 使用のための対話的方策 (Interactive Measures for Use)
手法 感覚的危険認知手法 (Sensuous Danger Perceiving Approach)
形態 人間中心形式 (Human-centered Contexture)

 

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