イルカと記憶の器


SPUSとELSEWHY Archivesの物語

 かつて、海の底に静かに眠る記憶がありました。それは、誰かが工夫した小さな安全策、誰かが気づいたささやかな違和感、誰かが守ろうとした仲間の命。けれど、その記憶は波にさらわれ、制度の隙間に沈んでいきました。

  そのとき、ひとつのイルカが跳ねました。水面を割って現れたその姿は、「ちょっとした工夫で幸運と安心を」という言葉を運ぶ案内者。SPUSのイルカは、使う人と作る人の間を泳ぎながら、納得のかたちを探し続けます。

  イルカは、記憶を拾い集めます。設計図の余白に残された手書きのメモ、現場で交わされた小さな会話、事故を防いだ直感的な判断。それらを、ELSEWHY Archivesという器にそっと収めていきます。

  ELSEWHY Archivesは、ただの記録庫ではありません。それは、詩的な命名と記憶の温度感を宿した器。イルカが運んできた記憶は、紙色や印刷密度、余白の設計によって、未来の誰かの手に届くように整えられます。

  イルカは語りません。ただ、泳ぎます。その背中には、SPUSのロゴが刻まれています。それは、「守る」ではなく「使う人と作る人の対話で生まれる安全」を象徴する印。そして、ELSEWHY Archivesの奥には、イルカが泳いだ軌跡が、静かに記録されていきます。

2025年11月01日